ソフトバンク工藤監督は2日の楽天戦で松坂大輔を起用する事を明らかにした。故障に苦しんだ松坂だが、やっと巡ってきたチャンス。本当の力を呼び覚ますことができるか。
楽天戦の試合前に面談し決断した。昨季入団後初の1軍登板となり、中継ぎで1、2イニングを投げる予定。
故障に苦しんだ日米通算164勝右腕が、結果次第ではクライマックスシリーズ(CS)の秘密兵器となる可能性も出てきた。
あの松坂がついに1軍のマウンドに立つ。本拠地最終戦セレモニーを終えた工藤監督は、今季最終戦となる2日の楽天戦に、背番号18を呼び寄せると明かした。
「仙台(楽天戦)に連れていく。状態が上がっているのは間違いない。ある程度、投げられるのであれば見てみたい」143試合目での今季初登板は突然決まった。試合前、何の前触れもなくヤフオクドームに現れた松坂は、監督室で工藤監督と話し合いを持った。
「試合後、監督に聞いてください」とだけ言い残し、車を発進させた、その表情は晴れやかだった。ようやく巡ってきたチャンスに心を躍らせているようにも見えた。
昨季、メジャーから9年ぶりに日本球界に復帰。しかし、8月に右肩を手術し、1試合も登板することはできなかった。完全復活を懸けた今季はオープン戦で1軍登板したものの、開幕ローテーションは逃しその後は右手違和感、腰痛、右尻の張りなどに苦しみ、投げてはどこか痛みが出てリハビリの日々。
それでもウエスタン・リーグ最終戦となった先月25日の阪神戦(筑後)では2回を3安打2失点ながら最速145キロをマークした。
この日は筑後の室内練習場では3日連続ブルペン投球を行うなど、猛アピールが実った。
2日はバンデンハークが先発予定。松坂は2番手以降で中継ぎで1~2イニングを投げる。
CSファーストSの先発枠は千賀、武田、バンデンハークで内定しているが、工藤監督は中継ぎ起用についても「それも含めて可能性はある」と示唆した。
日本球界で最後に1軍の公式戦に登板したのは、西武時代の06年10月7日、ソフトバンクとのプレーオフ第1ステージ初戦。
実に3648日ぶりのマウンドとなる。その試合は斉藤和巳とのエース対決を1―0の完封で制した伝説の試合だ。
工藤監督は「(1軍で)気合が入って投げた時、相手が彼の球を脅威と感じるようならば、CSも含めて考えられる」とも言った。
松坂と同学年で、今季最多勝を確定させた和田は左肘の違和感でポストシーズン中に復帰できるかは微妙。
それだけに日米通算164勝右腕への期待は大きい。
松坂が本物の力さえ、呼び覚ませば、CSの行方を左右するキーマンになる。
http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2016/10/01/kiji/K20161001013455170.html